バーダックと鳥山明さんの関係—『ドラゴンボール』の創造主が生み出したカリスマ戦士の軌跡
1. はじめに
バーダックとは、『ドラゴンボール』シリーズに登場する孫悟空の父親であり、フリーザに立ち向かったサイヤ人戦士です。しかし、原作の漫画『ドラゴンボール』には登場せず、アニメオリジナルのキャラクターとして誕生しました。
バーダックが誕生した背景には、『ドラゴンボール』の生みの親である鳥山明さんの影響が大きく関わっています。彼は当初バーダックの存在を認識していませんでしたが、後にそのキャラクターを公式に認め、さらには『ドラゴンボール超』でも新たな物語が描かれることとなりました。
本記事では、バーダックの誕生秘話、鳥山明さんの関わり、そして公式設定としての進化を詳しく解説していきます。
2. バーダックは鳥山明さんが生み出したキャラではなかった?
(1) バーダックの初登場はアニメオリジナル
バーダックは、1990年10月17日に放送されたテレビスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦』で初登場しました。この作品は、鳥山明さんの原作漫画にはない完全オリジナルストーリーであり、当初、鳥山明さんはバーダックというキャラクターの存在を知らなかったと言われています。
ポイント:
- バーダックは、アニメスタッフによってデザインされたキャラクター
- 鳥山明さんの原作には登場せず、アニメオリジナルの存在だった
- 当初は鳥山さん自身も彼の存在を認識していなかった
(2) 鳥山明さんがバーダックを公式認定
アニメ放送後、バーダックはファンの間で大きな人気を博しました。その人気を受けて、鳥山明さん自身がバーダックを「公式キャラクター」として認める発言をしたことで、彼は原作の設定に組み込まれることとなりました。
また、鳥山明さんは**『ドラゴンボール完全版』の巻末に描かれた短編漫画「DRAGON BALL – ZEROSON」**(2003年)にて、バーダックを公式に描き下ろしました。これは、バーダックがフリーザの攻撃を受ける直前のシーンであり、鳥山明さん自身が彼を描いた唯一の漫画作品です。
ポイント:
- 鳥山明さんは後にバーダックを**『ドラゴンボール』の公式キャラクターとして認めた**
- **「DRAGON BALL – ZEROSON」**にて、鳥山明さんがバーダックを公式に描いた
- これにより、バーダックは正式に**『ドラゴンボール』の歴史の一部となった**
3. 鳥山明さんの手によるバーダックの再登場
(1) 『ドラゴンボール超 ブロリー』での再解釈
2018年公開の映画**『ドラゴンボール超 ブロリー』**では、バーダックが鳥山明さんの手によって再び描かれ、新たな設定が加えられました。
『ドラゴンボール超 ブロリー』のバーダック
- フリーザの動きを察知し、サイヤ人の危機を感じ取る
- 妻ギネと共に、生まれたばかりの悟空を地球に送り出す
- フリーザのスーパーノヴァの直撃を受け、最期を迎える
考察:
この作品では、バーダックが戦士としての強さだけでなく、「父親としての愛情」を持つキャラクターとして再解釈されました。鳥山明さんは、この映画の脚本を手掛けており、バーダックのキャラクター像を自ら描き直したことになります。
(2) 『ドラゴンボール超』でのバーダックの回想
2021年の『ドラゴンボール超』マンガ版(グラノラ編)では、バーダックの過去が再び語られました。
『ドラゴンボール超』グラノラ編でのバーダック
- かつてヒータ軍のガスと戦い、瀕死状態に追い込まれる
- それでも「勝つための執念」を見せ、戦い抜く
- その精神力が、後の悟空の「決して諦めない強さ」へと受け継がれる
考察:
鳥山明さんの意向によって、バーダックの「戦士としての誇り」や「悟空の精神的ルーツ」としての役割が明確になりました。
4. まとめ
バーダックと鳥山明さんの関係
- バーダックは元々アニメオリジナルのキャラクターだった
- 鳥山明さんは後に彼を公式キャラクターとして認めた
- 『ドラゴンボール超 ブロリー』で新たな設定が加えられ、父親としての一面が強調された
- 『ドラゴンボール超』グラノラ編では、戦士としての誇りや悟空とのつながりが描かれた
バーダックの進化
- 1990年:『たったひとりの最終決戦』 → 反逆の戦士として描かれる
- 2003年:鳥山明さんの公式認定 → 「DRAGON BALL – ZEROSON」で描かれる
- 2018年:『ドラゴンボール超 ブロリー』 → 父としての愛情が強調される
- 2021年:『ドラゴンボール超』グラノラ編 → 悟空の精神的ルーツとしての存在が描かれる
バーダックは、もともと鳥山明さんが生み出したキャラクターではありませんでしたが、その後の人気や作品への影響から、公式に認められ、今や『ドラゴンボール』の歴史に欠かせない存在となっています。
今後のシリーズでも、バーダックがどのように描かれるのか楽しみですね!