バーダックの矛盾とは?サイヤ人戦士の描写に見られる違いと解釈
バーダックとは?サイヤ人の誇りを持つ戦士
バーダックは、『ドラゴンボール』シリーズに登場するサイヤ人であり、主人公孫悟空(カカロット)の父です。彼はフリーザ軍に所属する戦士として惑星侵略を行っていましたが、フリーザの陰謀を察知し、たった一人で立ち向かいました。
バーダックはその生き様や戦士としての誇りが描かれることで、多くのファンに愛されています。しかし、彼が登場する作品によって描写に矛盾が生じている部分があり、ファンの間で度々議論になっています。
本記事では、バーダックにまつわる**「矛盾」**について詳しく掘り下げ、作品ごとの違いを整理しながら、その解釈について考えていきます。
バーダックの矛盾① 戦士としての性格の違い
バーダックの性格は、登場作品によって大きく異なります。特に、「冷酷な戦士」としての描写と、「家族を大切にする父」としての描写の間には大きなギャップがあります。
1. 『たったひとりの最終決戦』でのバーダック(1990年)
- 冷静でクールな戦士として描かれる。
- フリーザ軍の命令に従い、仲間たちと共に侵略を行う。
- 仲間がフリーザに殺されたことで怒りを燃やし、単身で反抗する孤高の戦士となる。
- 息子・孫悟空に対する直接的な愛情表現はなく、サイヤ人の戦士としての誇りを持つ姿が強調される。
2. 『ドラゴンボール マイナス』でのバーダック(2014年)
- 家族を大切にする父として描かれる。
- サイヤ人らしからぬ優しさを持ち、ギネ(妻)と共に息子・悟空を気にかける。
- フリーザの不審な動きを察知し、「悟空を安全な場所に逃がそう」と考え、自らの意志で地球へ送り出す。
矛盾点
『たったひとりの最終決戦』ではバーダックは息子に無関心な戦士として描かれていたのに対し、『ドラゴンボール マイナス』では悟空を守るために行動する父としての一面が描かれています。
この矛盾について、ファンの間では次のような解釈がなされています。
- 「マイナス」は鳥山明さん自身の解釈による修正であり、公式設定が変更された。
- 「たったひとりの最終決戦」はアニメオリジナルの設定であり、後の作品と矛盾が生じている。
- バーダックの性格が時代の流れと共に変化し、より人間味のあるキャラクターとして再構築された。
バーダックの矛盾② 未来視の能力とその影響
バーダックは、『たったひとりの最終決戦』で未来を見る能力を得ます。これは、カナッサ星の生き残りの戦士トオロによって与えられたものであり、彼はこの力を通じて、サイヤ人の滅亡と孫悟空の未来を幻視することになります。
未来視による物語の影響
- バーダックはフリーザの陰謀を未来視で察知し、仲間たちに警告するが、誰にも信じてもらえない。
- 最後の戦いで、孫悟空が超サイヤ人となりフリーザを倒す未来を見て、安心して最期を迎える。
しかし、『ドラゴンボール マイナス』では、バーダックに未来視の要素はなく、彼は純粋に「フリーザの動きを怪しみ、息子を逃がそうとした」だけになっています。
矛盾点
- 『たったひとりの最終決戦』では、バーダックは未来視によってサイヤ人の滅亡を知り、運命に抗おうとした戦士だった。
- 『ドラゴンボール マイナス』では、バーダックは単なる戦士であり、未来視の要素が完全に削除されている。
この矛盾については、以下のような解釈が考えられます。
- 「未来視」はアニメオリジナルの要素であり、原作や映画版では設定が削除された。
- 未来視がなくても、バーダックの強い勘と洞察力でフリーザの動きを察知したという解釈に変わった。
- 異なる世界線のバーダックとして扱われ、複数の設定が共存している。
バーダックの矛盾③ フリーザへの反抗の理由
1. 『たったひとりの最終決戦』でのバーダック
- 仲間を殺された復讐心からフリーザに立ち向かう。
- 未来視によってサイヤ人の運命を知り、たとえ勝ち目がなくても戦いに挑む。
2. 『ドラゴンボール マイナス』でのバーダック
- フリーザの動きを不審に思い、家族を守るために悟空を地球に送るが、直接的にフリーザに立ち向かう場面は少ない。
矛盾点
『たったひとりの最終決戦』では、バーダックは戦士としての誇りのためにフリーザに挑むが、『ドラゴンボール マイナス』では家族を守るために動く父親として描かれています。
この違いについては、
- バーダックの動機を「家族愛」から「戦士の誇り」へとアニメが改変した。
- 『ドラゴンボール マイナス』では、サイヤ人の社会の描写が変わり、バーダックの役割も修正された。
まとめ|バーダックの矛盾をどう解釈するか?
バーダックの設定には、「たったひとりの最終決戦」と「ドラゴンボール マイナス」の違いから生じる矛盾が多くあります。
主な矛盾点
設定 | たったひとりの最終決戦 | ドラゴンボール マイナス |
---|---|---|
性格 | クールな戦士 | 家族を大切にする父 |
未来視 | あり | なし |
フリーザへの反抗 | 戦士の誇り | 家族を守るため |
孫悟空との関係 | ほぼ関心なし | 息子を逃がすために行動 |
バーダックの矛盾をどう捉えるかはファンの解釈次第ですが、どちらのバーダックも**「サイヤ人の誇りを持った戦士」**という点では共通しています。あなたはどちらのバーダックの姿に共感しますか?