バーダック、ラディッツ、カカロット|父と息子たちの関係とサイヤ人の宿命
バーダックとは?サイヤ人の誇りを持つ戦士
バーダックは、『ドラゴンボール』シリーズに登場するサイヤ人であり、主人公孫悟空(カカロット)の父です。彼はフリーザ軍の戦士として戦場を駆け抜けながらも、仲間を思い、フリーザの陰謀を察知し、たった一人で抗った孤高の戦士として描かれています。
そんなバーダックには、二人の息子がいます。
- 長男:ラディッツ(フリーザ軍の下級戦士)
- 次男:カカロット(孫悟空)(地球に送られたサイヤ人)
この三人は、血縁でつながっていながらも、異なる道を歩んだ戦士たちでした。本記事では、**「バーダック、ラディッツ、カカロット」**というテーマで、彼らの関係と、それぞれの運命について詳しく考察していきます。
バーダックとラディッツの関係|戦士の親子は希薄だった?
サイヤ人は戦闘民族であり、親子関係に強い情を持たないとされています。バーダックとラディッツも、一般的な親子のような関係ではなかったと考えられます。
1. 幼少期のラディッツとバーダック
- ラディッツはバーダックの長男として生まれましたが、サイヤ人の戦士として育てられ、親の手元で育つことはなかったと考えられます。
- サイヤ人は基本的に、強い者だけが生き残る厳しい環境にあり、バーダックもラディッツを特別扱いすることはなかったと思われます。
- バーダックは戦場に出ることが多かったため、ラディッツと関わる機会は少なかった可能性が高いです。
2. ラディッツの戦士としての生き方
- ラディッツは幼少期からフリーザ軍に所属し、ベジータやナッパと行動を共にするようになりました。
- 彼はフリーザ軍の一員として生きる道を選び、バーダックのことを特に意識することはなかったと考えられます。
- そのため、バーダックがフリーザの反逆を企てていたことも、惑星ベジータでの最後の戦いも、ラディッツは知らないまま宇宙のどこかで戦い続けていた可能性が高いです。
つまり、バーダックとラディッツは親子でありながらも、ほとんど接点がないまま過ごしていたと考えられます。
バーダックとカカロット(孫悟空)の関係|父が託した未来
バーダックと次男・カカロットの関係は、ラディッツとは大きく異なります。
1. カカロットを地球に送り出す決断
『ドラゴンボール マイナス』や『ドラゴンボール超 ブロリー』では、バーダックがフリーザの陰謀を察知し、カカロットを地球に送り出す決断をする姿が描かれました。
- バーダックはフリーザの動きを不審に思い、サイヤ人の未来を危惧していた。
- そのため、まだ赤ん坊だったカカロットを、惑星ベジータから逃がす決断を下す。
- これは、通常のサイヤ人ではありえない行動であり、バーダックが息子を大切に思っていたことを示唆している。
この行動は、サイヤ人の中では珍しく、家族愛を持つバーダックの姿を描いた重要なシーンでした。
2. バーダックが見た未来のカカロット
OVA『たったひとりの最終決戦』では、バーダックはカナッサ星で未来視の能力を得て、カカロットがフリーザと戦う未来のビジョンを見ました。
- バーダックは、自分ではフリーザを倒せないと悟る。
- しかし、未来でカカロットが超サイヤ人になり、フリーザと戦う姿を目にする。
- その未来を見たバーダックは、**「カカロット…頼んだぞ…」**と微笑みながら最期を迎える。
このシーンは、バーダックが戦士としての誇りを持ちながらも、最終的に息子に未来を託す決意を固める重要な瞬間でした。
ラディッツとカカロット(孫悟空)の関係|兄弟の絆はなかった?
ラディッツとカカロットは兄弟でありながらも、育った環境がまったく異なるため、強い絆はありませんでした。
1. ラディッツはカカロットを「戦士」として見ていた
- ラディッツは地球を訪れた際、カカロット(悟空)に対して「なぜ地球の支配者になっていないのか?」と問い詰める。
- 彼にとって、**「弟」ではなく「同じサイヤ人としての戦士」**としてカカロットを見ていた。
- しかし、悟空はサイヤ人の価値観ではなく、地球人として育ったため、兄とはまったく異なる考えを持っていた。
2. 悟空の反発とラディッツの敗北
- ラディッツは、カカロットをフリーザ軍に迎え入れようとするが、悟空は拒否する。
- 結果的に、悟空とピッコロの共闘によって、ラディッツは倒される。
- この戦いの際も、ラディッツが悟空に**「兄としての情」を見せることはなく、あくまで戦士同士の戦いだった。**
まとめ|バーダック、ラディッツ、カカロットの関係はすれ違いだった
バーダック、ラディッツ、カカロットは親子・兄弟でありながらも、それぞれ異なる運命を歩んだ戦士たちでした。
バーダックとラディッツは、ほとんど関係がなかった可能性が高い。
バーダックはカカロットを特別視し、未来を託して地球へ送り出した。
ラディッツとカカロットは兄弟でありながら、価値観がまったく違い、敵対することになった。
バーダックが生きていたら、ラディッツとカカロットは違う道を選んでいたかもしれません。しかし、バーダックの意志はカカロット(孫悟空)に受け継がれ、最終的にフリーザを倒す大きな流れを生み出しました。
彼らのすれ違いの運命こそが、ドラゴンボールの物語に深みを与えているのかもしれません。