バーダックの物語|孤高のサイヤ人戦士が遺した伝説
バーダックとは?孫悟空の父としての宿命
バーダックは、『ドラゴンボール』シリーズに登場するサイヤ人であり、主人公孫悟空(カカロット)の父です。フリーザ軍の戦士として戦場を駆け抜けてきた彼は、仲間を思う心を持ちながらも、サイヤ人の未来を守るため、たった一人でフリーザに立ち向かった孤高の戦士として描かれています。
彼の物語は、『たったひとりの最終決戦~フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父~』というアニメスペシャルで初めて描かれ、その後『ドラゴンボール マイナス』や『ドラゴンボール超 ブロリー』などでも新たな視点が加えられました。
本記事では、バーダックの物語を詳しく解説し、彼がどのようにして伝説を遺したのかを探っていきます。
バーダックの物語① 「たったひとりの最終決戦」編
1. カナッサ星での戦い|未来視の呪いを受ける
物語は、バーダック率いるバーダックチームがフリーザ軍の命令でカナッサ星を襲撃する場面から始まります。サイヤ人の圧倒的な戦闘力によってカナッサ星は陥落しますが、戦いの最中、カナッサ星人の生き残り・トオロがバーダックを不意打ちし、こう言い残します。
「お前に未来が見える呪いをかけた…!」
これ以降、バーダックは未来視の力を得ることになり、自らの意思とは無関係に未来の出来事が幻視されるようになります。
2. 仲間たちの死とフリーザの陰謀
バーダックがカナッサ星から帰還すると、仲間のトーマたちがフリーザ軍に襲撃されて瀕死の状態となっていました。
トーマ:「バーダック…お前も気をつけろ…」
トーマの最期の言葉を聞いたバーダックは、未来視によって**「フリーザがサイヤ人を皆殺しにする未来」**を目にします。バーダックは惑星ベジータへと戻り、仲間たちにこの未来を伝えますが、誰も彼の言葉を信じようとしません。
この瞬間、バーダックは完全に孤立した戦士となりました。
3. たった一人でフリーザ軍に立ち向かう
誰も信じない中、バーダックはフリーザの宇宙船に単身で乗り込み、フリーザの部下たちを次々となぎ倒しながら、フリーザ本人へと向かいます。
「運命なんざ、変えてやる…!!」
しかし、フリーザはバーダックをまったく相手にせず、巨大なエネルギー弾を放ち、惑星ベジータを破壊してしまいます。
この時、バーダックの目には未来の孫悟空の姿が映り、彼は最後の力を振り絞ってこう呟きます。
「カカロット…未来を頼んだぞ…」
バーダックはエネルギー弾に包まれ、惑星ベジータと共に消滅。しかし、その意志は息子・孫悟空に引き継がれ、数十年後、悟空が超サイヤ人へと覚醒し、フリーザを倒すことになります。
バーダックの物語② 「エピソード オブ バーダック」編(IFストーリー)
バーダックの最期には、もう一つの可能性が描かれた物語があります。それが、**『エピソード オブ バーダック』**です。
- フリーザの攻撃を受けたバーダックが過去の惑星プラント(惑星ベジータの前身)に飛ばされる。
- そこで、伝説の超サイヤ人の祖であるチルド(フリーザの先祖)と対決。
- 窮地に追い込まれたバーダックは、怒りによって超サイヤ人へと覚醒。
- そのままチルドを撃破し、未来へと続く超サイヤ人の伝説を作り出す。
この物語は公式設定ではないものの、**「もしバーダックが超サイヤ人になっていたら?」**という夢のある展開が描かれています。
バーダックの物語③ 「ドラゴンボール マイナス」&「ドラゴンボール超 ブロリー」編
『ドラゴンボール マイナス』および『ドラゴンボール超 ブロリー』では、バーダックの新たな物語が追加されました。
1. バーダックの父親としての姿
これまでのバーダックは「戦士としての誇り」に重点が置かれていましたが、『ドラゴンボール マイナス』では、父としての優しさが強調されました。
- フリーザがサイヤ人抹殺を計画していることを察知。
- 妻ギネと共に、生まれたばかりのカカロット(孫悟空)を地球へ逃がす決断をする。
- 「おかしなもんだな…まるでカカロットに抱いた気持ちと同じじゃねぇか…」と呟き、息子の未来を案じる。
これまでの「冷徹な戦士バーダック」とは違い、「家族を想うバーダック」という新たな側面が描かれた物語になりました。
バーダックの物語が示すもの|戦士の誇りと未来への意志
バーダックの物語は、単なる「サイヤ人の戦士の最期」ではなく、未来へとつながる希望と意志を描いています。
1. 「たったひとりの最終決戦」
→ 戦士としての誇りを貫き、運命に抗うバーダック。
2. 「エピソード オブ バーダック」
→ もし超サイヤ人になっていたら?というIF展開。
3. 「ドラゴンボール マイナス」「超 ブロリー」
→ 戦士ではなく、父親としてのバーダックが描かれる。
どの物語でも、バーダックは「運命に抗う男」として描かれており、その意志は息子・孫悟空へと受け継がれ、フリーザ打倒という未来を生み出すことになります。
まとめ|バーダックの物語は悟空の伝説の始まり
バーダックは、どの物語においても「運命に抗う戦士」として描かれ、彼の死が「悟空がフリーザを倒す未来」へとつながる重要な役割を果たしています。
孤独な戦いを選び、未来へと意志を託したバーダック。
戦士としての誇りを貫いた姿勢は、孫悟空へと受け継がれた。
時代によって「父としての優しさ」も描かれるようになった。
バーダックの物語は、まさにドラゴンボールの伝説の始まりを象徴するものなのです。