バーダックの「マイナス」とは?従来のイメージとの違いと変化
バーダックとは?サイヤ人の誇りを持つ戦士
バーダックは、『ドラゴンボール』シリーズに登場するサイヤ人であり、主人公孫悟空(カカロット)の父です。初登場はアニメスペシャル『たったひとりの最終決戦〜フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父〜』であり、惑星ベジータの滅亡前にフリーザの陰謀を察知し、たった一人で立ち向かう戦士として描かれました。
バーダックは、フリーザ軍の命令で侵略を繰り返していた冷酷な戦士でありながら、仲間を思う心を持っており、最終的にはフリーザに反抗するという反骨精神が強いキャラクターでした。しかし、そのバーダック像は後の作品『ドラゴンボール エピソード オブ バーダック』や原作者・鳥山明さんが描いた**『DRAGON BALL- 放たれた運命の子』(通称「ドラゴンボール マイナス」)**において、大きく変化しました。
「バーダック マイナス」とは?新たに描かれたバーダックの姿
「バーダック マイナス」とは、鳥山明さんが描いた**『DRAGON BALL- 放たれた運命の子』**に登場するバーダックの新たな設定を指す言葉です。この作品では、従来のバーダック像とは異なる点がいくつか見られます。
1. バーダックの性格がマイルドに
従来のバーダックは、冷酷な戦士でありながら、仲間を殺されたことで怒りを燃やし、フリーザに挑む孤高の戦士でした。しかし、「マイナス」におけるバーダックは、より穏やかで家族思いな性格になっています。
特に妻のギネとのやり取りが描かれ、ギネの影響で他のサイヤ人とは異なり家族愛を持つキャラクターとして描かれています。これは従来のバーダック像とは大きな違いであり、「マイナス」の最大の変更点とも言えるでしょう。
2. 孫悟空を地球に送る経緯が変化
『たったひとりの最終決戦』では、孫悟空はサイヤ人の侵略ミッションの一環として地球に送られたとされていました。しかし、「マイナス」では、バーダックがフリーザの動向を察知し、息子を助けるために地球へ送り出したという設定になっています。
これは、バーダックが父としての愛情を持ち、悟空の未来を考えて行動したという新たな解釈を加えたものですが、ファンの間では「従来のクールなバーダックとは異なる」と賛否が分かれる要素でもあります。
3. フリーザとの戦いが描かれない
アニメスペシャルでは、バーダックはフリーザに最後まで立ち向かい、彼のエネルギー弾に飲み込まれるまで戦った姿が描かれていました。しかし、「マイナス」ではその戦いの描写はなく、バーダックが悟空を送り出すシーンが強調されています。
このため、「マイナスのバーダックは戦士としての誇りが薄れているのではないか?」と指摘されることもあります。しかし、これはサイヤ人の中でも異質な父親像を持つバーダックを描こうとした意図があると考えられます。
バーダック「マイナス」と従来のバーダックの違い
項目 | 従来のバーダック(アニメスペシャル) | マイナスのバーダック(放たれた運命の子) |
---|---|---|
性格 | 冷酷でクールな戦士、仲間想い | 家族を大切にする穏やかな性格 |
悟空を地球へ送る理由 | サイヤ人の侵略ミッションのため | フリーザの脅威から逃がすため |
フリーザとの戦い | 最後まで立ち向かう | 戦いの描写なし |
ギネとの関係 | ほとんど語られない | 夫婦としての交流が描かれる |
「マイナス」の影響とファンの評価
「バーダック マイナス」は、従来のバーダック像を大きく変更したため、賛否両論があります。
肯定的な意見
- 「悟空のルーツが明確になった」
- バーダックが家族思いの父親として描かれることで、悟空が地球で育ち、仲間を大切にする性格になった理由が補完された。
- 「新しい視点のバーダックも良い」
- クールな戦士ではなく、サイヤ人の中で珍しく愛情を持つ存在として描かれることで、新しいバーダックの魅力が生まれた。
否定的な意見
- 「バーダックのクールな戦士としての魅力が薄れた」
- 『たったひとりの最終決戦』での孤独な戦士としての姿が好きだったファンにとっては、「マイナス」での変更は物足りなく感じる。
- 「悟空が送られる理由がドラマチックではなくなった」
- 旧設定では悟空が偶然地球に送られたことで物語が展開していたが、「マイナス」ではバーダックの意図的な判断によるものになり、展開の必然性が増した分、運命的な要素が減ったと感じる人もいる。
まとめ
「バーダック マイナス」は、バーダックのキャラクター設定を根本的に変更したエピソードであり、特に彼の父親としての側面が強調された作品です。
従来のバーダックは冷酷ながらも仲間を思う戦士でしたが、「マイナス」では家族愛を持ち、悟空を救うために行動する父親として描かれました。この変化は、バーダックの新たな魅力を生み出しましたが、一方で**「かつてのクールなバーダックとは違う」**と感じるファンも多く、賛否が分かれる要素となっています。
いずれにせよ、「バーダック」というキャラクターがこれほどまでに注目され続けていることは、彼がドラゴンボールの中で特別な存在であることの証明とも言えるでしょう。今後の作品で彼の物語がどのように扱われるのかも、ファンにとっては注目のポイントです。