ベジータの「初期」設定と登場時のキャラクター — 冷酷なサイヤ人の王子
ベジータの「初期」設定と登場時のキャラクター — 冷酷なサイヤ人の王子
『ドラゴンボール』シリーズにおけるベジータの「初期」設定は、冷酷で傲慢なエリート戦士として描かれており、サイヤ人の王子という誇り高き立場にあるキャラクターです。シリーズの序盤で初登場した際には、地球に対して無慈悲な態度を見せ、圧倒的な戦闘力を誇る存在として悟空たちの前に立ちはだかりました。ここでは、ベジータの初登場からその初期設定、そしてキャラクターがどのように発展していったかについて詳しく解説します。
ベジータの初登場 — サイヤ人編での冷酷な王子
ベジータは『ドラゴンボールZ』のサイヤ人編で初めて登場し、地球を訪れる強敵として悟空たちの前に現れました。彼はラディッツの死を知り、ドラゴンボールを利用して不老不死を手に入れるため、仲間のナッパと共に地球に向かいます。この時のベジータは冷徹で、目的のためには手段を選ばない残酷な一面が強調されていました。
初期のベジータの性格と目的
初期のベジータは、サイヤ人の王子としてのプライドが極めて高く、自らを「エリート」と称して他のサイヤ人や敵を見下す態度を取っていました。地球に来た際も、ドラゴンボールを手に入れるために地球の人々を犠牲にすることを全く躊躇せず、ナッパと共に冷酷な破壊行為を繰り返します。この冷淡な性格は、ベジータが自分の生き残りと力を維持するためにどれだけ残忍になれるかを示すものであり、初期のベジータはまさに「悪役」としての姿を見せています。
サイヤ人の王子としてのエリート意識
ベジータはサイヤ人の王であるベジータ王の息子として、幼少期からエリート戦士として育てられてきました。彼の強烈なエリート意識は、他のサイヤ人を「下級戦士」と見下し、特に悟空に対しては当初から強い蔑視の念を抱いていました。彼は自らが選ばれた存在であるという誇りを持ち、その誇りを守るためには何でも犠牲にする覚悟を持っています。こうしたエリート意識が、ベジータの冷酷で孤高な性格を強調する要因となっています。
ベジータの戦闘スタイルと強さの描写
初期のベジータは、当時の地球の戦士たちを圧倒する戦闘力を持っていました。彼は非常に冷静かつ計算高い戦士であり、戦闘時も相手の隙を突くことに長けています。地球に到着したベジータは、ナッパを使って戦況を見極め、自らの力を必要最低限で使う姿勢を見せます。
ナッパとの関係と支配力
初期のベジータは、同じサイヤ人であるナッパに対しても非常に厳しい態度を取っており、彼をあくまで部下として扱っています。ナッパがピッコロや悟飯と戦って敗北した際には、役立たずとみなして自らナッパを処刑する冷酷な一面を見せました。この行動は、ベジータの支配力と戦闘への非情さを象徴しています。彼は仲間に対しても容赦なく、自分の目的を達成するために不要な者を切り捨てる姿勢を取ります。
悟空との初対決
地球での戦いのクライマックスは、悟空とベジータの初めての対決です。この戦いでは、ベジータの圧倒的な戦闘力と冷静な戦闘スタイルが描かれ、悟空の界王拳をもってしてもベジータに対抗するのは容易ではありませんでした。ベジータは一度劣勢に立たされた際、自らの体からブルーツ波を発生させ、大猿(オオザル)に変身することで、戦闘力を一気に10倍に引き上げて悟空を追い詰めます。この大猿形態は、サイヤ人の特性を活かしたベジータの戦法であり、彼の強さと冷酷さが際立った瞬間でした。
初期のベジータとその心の変化の兆し
初期のベジータは、冷酷で強力なエリート戦士として描かれていましたが、サイヤ人編での戦いを通じて少しずつ心の変化が見え始めます。悟空や地球の戦士たちに敗北したことは、彼にとって大きな衝撃であり、エリート意識の高い彼にとって「死に匹敵する屈辱」でした。
敗北から生まれた屈辱と復讐心
ベジータは、悟空に敗れたことにより、自分が最強であるというプライドが大きく揺らぎます。彼は一度地球を離れて撤退しますが、この屈辱が彼の心に強烈な復讐心を生み、後のフリーザ編やセル編での成長につながる動機となりました。初期のベジータは、自分の誇りを守るためにさらに強くなることを決意し、戦士としての成長を続けます。
仲間への認識が変わる兆し
ベジータは当初、仲間を持たず冷酷に戦い続けていましたが、悟空との対決や地球での敗北を通じて、少しずつ他者の存在を認識し始めます。この変化は劇的ではないものの、後の物語で仲間との絆を形成していくための小さなきっかけとなります。初期の段階ではあくまで冷酷で孤高な戦士であるベジータですが、敗北の経験が彼の心に新たな感情の種を植え付けたともいえるでしょう。
初期のベジータとその後の成長
初期のベジータは、冷酷で目的のためには手段を選ばないエリート戦士として描かれていましたが、敗北を経験しながら少しずつ人間性を育んでいきます。ナメック星での戦いや、家族を持つことでさらに成長し、ただの悪役から「ライバル」や「仲間」へと役割が変わっていくのです。
フリーザ編での復讐心と悟空との関係
ナメック星でのフリーザ編では、ベジータが初期の目的であった復讐心を抱えながらも、悟空との関係がさらに変化していきます。フリーザに対抗するために悟空と協力する場面も見られ、敵対していた二人の間に微妙な友情やライバル意識が芽生えます。初期の冷酷なベジータが、他者と協力し、共通の敵に立ち向かう姿は、彼の成長の証といえるでしょう。
地球での家族生活がもたらした変化
ベジータは後にブルマと出会い、トランクスを授かることで、地球に「家族」を持つことになります。サイヤ人の王子としてのプライドを持ちながらも、家族の存在がベジータに新たな一面を与え、家族を守るための強さを求めるようになりました。初期の孤高な戦士から、家族を愛し、仲間と共に戦う存在へと変化したことは、ベジータの成長を象徴するものです。
まとめ
初期のベジータは、冷酷でエリート意識の強いサイヤ人の王子として登場し、目的のためには手段を選ばない姿勢で地球を脅かす存在でした。悟空との激しい戦いと敗北を経験したことで、彼のエリートとしてのプライドに傷が付き、成長の道を歩むきっかけを得ました。ナメック星での戦いや地球での家族生活を通じて、冷酷な戦士から仲間や家族を守る存在へと変化を遂げ、彼のキャラクターは次第に深みを増していきます。ベジータの初期設定は、彼の成長物語の出発点であり、シリーズを通じて彼がどのように変わり続けるのかを示す重要な役割を果たしています。