バーダックの原作における登場とその影響｜鳥山明さんが生んだ伝説のサイヤ人

1. バーダックとは？原作との関係を解説

バーダックは、孫悟空（カカロット）の父であり、サイヤ人の下級戦士としてフリーザ軍に属していたキャラクターです。彼は惑星ベジータを支配していたフリーザによるサイヤ人殲滅の陰謀を知り、仲間の仇を討つためにフリーザへと挑んだ孤高の戦士です。

しかし、バーダックは**鳥山明さんが直接描いた原作漫画には登場しておらず、最初に登場したのはアニメスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦』**でした。彼の存在は後に漫画にも逆輸入され、『ドラゴンボール』の公式ストーリーにも組み込まれることとなります。

本記事では、「バーダック 原作」をテーマに、彼がどのように『ドラゴンボール』の世界に組み込まれたのか、その影響や変遷について詳しく解説します。

2. バーダックの初登場はアニメスペシャル

バーダックが最初に登場したのは、**1990年に放送されたTVスペシャル『ドラゴンボールZ たったひとりの最終決戦 ～フリーザに挑んだZ戦士 孫悟空の父～』**です。この作品では、フリーザ軍の下級戦士であるバーダックが、仲間の復讐とサイヤ人の未来を守るために奮闘する姿が描かれました。

この物語のポイントは以下の通りです。

バーダックは戦場でカナッサ星人の攻撃を受け、「未来視」の能力を得る
フリーザがサイヤ人を皆殺しにする計画を立てていることを知る
仲間たちがフリーザ軍の裏切りによって全滅し、彼ひとりで立ち向かうことを決意
フリーザに挑むも、一撃で惑星ベジータと共に消滅する
最期に未来の悟空の姿を見て、「カカロット…お前が…サイヤ人の仇を…！」とつぶやく

このエピソードは、原作の物語とは独立したアニメオリジナルの設定でしたが、放送後にファンの間で非常に人気を博し、「バーダック＝悟空の父」という設定が公式に認められるようになりました。

3. 鳥山明さんによるバーダックの原作漫画化

バーダックは、アニメスペシャルのオリジナルキャラクターとして誕生しましたが、その後、鳥山明さんが彼を公式設定として採用し、漫画の中に登場させました。

3-1. 『ドラゴンボールZ』単行本での初登場

バーダックが原作漫画に登場したのは、**『ドラゴンボールZ』単行本第28巻（フリーザ編）**です。

フリーザが過去の回想の中で、サイヤ人を滅ぼしたシーンにバーダックが描かれている
バーダックがフリーザの巨大エネルギー弾を目の当たりにし、サイヤ人の滅亡を迎えるシーン
セリフはほとんどなく、原作では「カカロット」の名前を呼ぶシーンはなし

この描写は、アニメ版のバーダックと同じデザインが採用され、公式に「孫悟空の父」としての設定が確立された瞬間でした。

3-2. 『ドラゴンボール エピソードオブバーダック』

2011年には、バーダックが主役のスピンオフ漫画**『ドラゴンボール エピソードオブバーダック』**が登場しました。

バーダックがフリーザの攻撃を受けた後、過去の惑星ベジータにタイムスリップ
古代のサイヤ人たちと出会い、新たな敵「チルド」と戦う
戦いの中で超サイヤ人へと覚醒し、チルドを撃破

この作品では、「バーダックが超サイヤ人に覚醒する」という新たな要素が加わり、ファンの間で話題となりました。ただし、原作の正史（カノン）に含まれるかどうかは明言されていません。

4. 『ドラゴンボール超』でのバーダックの再登場と新設定

2018年公開の映画『ドラゴンボール超 ブロリー』では、バーダックのキャラクター設定が大きく見直されました。

原作の「冷酷な戦士」から、家族を想う父親としての一面が強調
フリーザによる惑星ベジータの破壊を察知し、カカロットを地球へ避難させる
妻ギネとの関係が描かれ、サイヤ人の中では珍しく家族愛を持つ人物として描写

この変更により、バーダックは冷徹なサイヤ人戦士から、家族を想う父親としての側面が強調されるキャラクターとなりました。この設定変更は賛否両論を生みましたが、原作にはなかった新たなバーダック像として定着しました。

5. まとめ｜バーダックの原作における変遷と影響

バーダックはもともとアニメスペシャルのオリジナルキャラクターだった
その後、鳥山明さんが原作漫画に取り入れ、公式設定として確立
『ドラゴンボール エピソードオブバーダック』では、超サイヤ人に覚醒するストーリーが描かれた
『ドラゴンボール超 ブロリー』では、家族を想う父親としての新たな側面が追加

バーダックは、『ドラゴンボール』の原作ではわずか数コマしか登場しないキャラクターでしたが、アニメや派生作品を通じて、公式設定の一部として確立され、悟空のルーツを語る上で欠かせない存在となりました。

現在もなお、バーダックはゲームやグッズ展開などで根強い人気を誇り、彼の物語は『ドラゴンボール』シリーズのファンにとって重要な要素となっています。今後もバーダックがどのように描かれていくのか、引き続き注目していきましょう！

ライト

鳥山明さんの大ファン

鳥山明さんの作品をこよなく愛するドラゴンボールが好きな漫画オタクです。世の中のアニメ全般が好きで、クリエイターの皆様を応援しています。